2018年3月にヤサカから発売されて以来、多くの卓球プレイヤーに愛され続けている裏ソフトラバー「ライガン」。特に、基礎技術を習得し、次のレベルへとステップアップしたい初中級者から絶大な支持を得ています。本記事では、ライガンがなぜこれほどまでに評価されているのか、その性能、特徴、そしてユーザーの声を徹底的に分析し、その魅力に迫ります。
「ライガン」は、クラシックな高弾性ラバーから現代の高性能テンションラバーへの架け橋となるべく開発されました。安定性を重視しながらも、テンションラバーならではの弾みと回転性能をバランス良く両立させた、まさに「次の一枚」に最適なラバーです。
ライガンシリーズの性能と位置づけ
ライガンシリーズは、標準モデルの「ライガン」と、スピン性能を強化した「ライガンスピン」の2種類で構成されています。どちらもヤサカ独自の「ハイブリッドエナジー技術」を搭載し、優れた性能を発揮します。
公式スペック比較:ライガン vs. ライガンスピン
まず、両者の公式スペックを見てみましょう。スピードは同等ですが、スピンとコントロールの味付けに違いがあることがわかります。「ライガン」はコントロールを、「ライガンスピン」はスピンをわずかに重視した設計です。
両モデルともスポンジ硬度は40~45度で、テンションラバーの中では比較的柔らかい部類に入ります。この柔らかさが、ライガンシリーズ特有の扱いやすさと安定感を生み出しています。「ライガンスピン」はスピン性能を高めた分、重量がわずかに増す傾向にあります(約3g増)。
ヤサカ製品ラインナップにおけるライガンの役割
ヤサカのラバーラインナップは、長年のベストセラー「マークV」から、トップ選手も使用する高性能シリーズ「ラクザ」まで多岐にわたります。その中でライガンは、マークVからのステップアップ、そして将来的にラクザシリーズへ移行するための架け橋という重要な役割を担っています。
グラフが示すように、ライガンはマークVに比べてスピードとスピンが向上しており、テンションラバーの感覚を養うのに最適です。一方で、ラクザ7のようなハイエンドモデルと比較すると、絶対的な威力では劣るものの、その分コントロール性能が際立っています。この絶妙なバランスが、多くの初中級者にとって「ちょうど良い」性能となっているのです。
この性能を実現しているのが、グリップ力の高いトップシートとテンションスポンジを組み合わせた「ハイブリッドエナジー」技術です。ボールをしっかり掴む感覚と、心地よい弾みを両立させています。
ライガンの3大特徴:なぜ多くのプレイヤーに選ばれるのか
ライガンの人気を支える3つの大きな特徴について、さらに詳しく掘り下げていきましょう。
卓越したコントロール性能と安定感
ライガンの最大の魅力は、なんといってもその卓越したコントロール性能です。柔らかめのシートとスポンジがボールを深く食い込ませるため、自分の意図した通りにボールを操る感覚を掴みやすいのが特徴です。あるユーザーは「打球時のエネルギーを正確に伝えることができる」と評価しており、台上技術やブロック、ラリー戦での安定感は抜群です。
特に、相手の回転の影響を受けにくい「鈍感さ」も持ち合わせているため、レシーブやブロックが非常に安定します。試合の緊張した場面でも、思い切ってラケットを振っていける安心感は、スコアに直結する大きな武器となるでしょう。
理想的な打球軌道と球持ちの良さ
ライガンは、ドライブを打った際に理想的な弧線を描きやすいと評価されています。優れたグリップ力でボールをしっかり掴み、上に持ち上げてくれるため、ネットミスを恐れずに安定したドライブを連打できます。これは特に、下回転打ちが苦手な選手や、バックハンドで安定した攻撃をしたい選手にとって大きな助けとなります。
ただし、レビューによればライガンの軌道は比較的「直線的」であり、深さのコントロールには少し慣れが必要な場合があります。一方、ライガンスピンはより高い弧線を描きやすいため、プレースタイルに応じて選択するのが良いでしょう。
驚異的なコストパフォーマンス
高性能なドイツ製テンションラバーでありながら、ライガンは非常に手頃な価格で提供されています。Amazonなどのオンラインストアでは、2,000円台から3,000円台で購入できることが多く、これはトップモデルの半額以下です。さらに、ラバーの寿命も比較的長いと評価されており、頻繁にラバーを交換することが難しい学生や社会人プレイヤーにとって、これ以上ないほどの高いコストパフォーマンスを誇ります。
ユーザーレビューから見るライガンの実力
メーカーの公称値だけでなく、実際に使用しているプレイヤーの声は用具選びの重要な指標です。国内外のレビューサイトから、ライガンの評価をまとめてみました。
ユーザーレビューの評価を平均化すると、特に「コントロール」の項目で非常に高いスコアを記録していることがわかります。スピードとスピンもバランス良くまとまっており、尖った性能はないものの、欠点のないオールラウンドな性能がうかがえます。
「バック面にこのラバーを使用しています。下回転がものすごく持ち上がり、チキータとバックドライブがめっちゃやりやすかったです。とにかく最初の(テンション)ラバーにめちゃおすすめです。」(卓球歴1年未満のユーザー)
「20年ぶりにラケットを新調。コントロール性能の高いラバーを探してライガンにしました。スピードが出るのに打ちたいところに飛んでいく。気持ちいいです。」(卓球歴2~3年のユーザー)
「ライガンスピンやラクザと比べると軽い。バック面に貼ってラケットの重量を抑えたい人にはおすすめできる。」(卓球歴11~20年のユーザー)
これらの声から、ライガンが特にバックハンドでの安定性向上や、コントロールを重視するプレイヤー、ラケット重量を軽くしたいプレイヤーに高く評価されていることがわかります。
ライガンはどんなプレイヤーにおすすめか?
ここまでの分析を踏まえ、ライガンが特にフィットするプレイヤー像を3つのタイプに分けてご紹介します。
ステップアップを目指す初中級者
基礎技術を一通り習得し、高弾性ラバーからの卒業を考えているプレイヤーにとって、ライガンは最高の「2枚目のラバー」と言えるでしょう。いきなりテナジーやラクザのような高性能ラバーに移行すると、弾みすぎてコントロールが難しくなることがあります。ライガンを間に挟むことで、ボールを食い込ませて回転をかける感覚や、自分の力でボールをコントロールする感覚を安全に身につけることができます。
バックハンドの安定性を求める選手
多くのプレイヤーが悩むバックハンド技術。ライガンはその悩みを解決する強力な味方になります。軽量であるためラケットの振り抜きが良くなり、優れたグリップ力とコントロール性能によって、下回転に対するループドライブやブロック、カウンターが非常に安定します。多くのレビューでバック面での使用が推奨されており、その効果は折り紙付きです。
威力よりもコース取りを重視する選手
一発の威力でエースを狙うのではなく、安定したラリーで相手を揺さぶり、コースを突いて得点する。そんなクレバーな卓球を目指すプレイヤーにライガンは最適です。特に、練習時間が限られる社会人プレイヤーにとって、ミスを減らし、安定性を高めることは勝利への近道です。ライガンは、そうした「大人の卓球」を実現するための賢い選択と言えるでしょう。
商品情報と購入ガイド
ライガンは、全国の卓球用品店やオンラインストアで手軽に購入できます。特にAmazonでは、レビューを確認しながらお得な価格で購入することが可能です。
ヤサカ(YASAKA) 卓球 ラバー ライガン B-85
- モデル番号: B-85
- ラバー種別: ハイブリッドエナジー型裏ソフト
- スポンジ硬度: 40~45度
- 厚さ: 中厚, 厚, 特厚
- 特徴: 抜群の安定性とコストパフォーマンスを両立。初中級者のステップアップに最適。
まとめ
ヤサカ「ライガン」は、「安定性」「コントロール」「コストパフォーマンス」という3つの要素を極めて高いレベルで満たした、非常に優れた卓球ラバーです。派手な性能はありませんが、プレイヤーの技術を忠実に反映し、着実なレベルアップをサポートしてくれます。
- これからテンションラバーに挑戦したい初心者。
- 基礎を固め、次のステージへ進みたい中級者。
- バックハンドの安定性に課題を感じている選手。
- 威力よりも安定したラリーで試合を組み立てたい選手。
もしあなたがこれらのいずれかに当てはまるなら、次のラバー候補として「ライガン」を検討してみてはいかがでしょうか。きっと、あなたの卓球を新たなレベルへと引き上げてくれるはずです。




