卓球のパフォーマンスを大きく左右する用具、それが「ラバー」です。ラバーは消耗品であり、定期的な貼り替えが不可欠。しかし、「自分で貼るのは難しそう」「失敗したくない」と感じる方も多いのではないでしょうか。この記事では、初心者でもプロ並みの仕上がりを目指せる、卓球ラバーの貼り方を徹底解説します。必要な道具から、失敗しないためのコツ、さらにはレベル別のおすすめラバーまで、あなたの卓球ライフをサポートする情報を網羅しました。
はじめに:ラバー貼りは上達への第一歩
卓球を始めたばかりの頃は、購入したお店のスタッフにラバーを貼ってもらうのが一般的です。しかし、バタフライの初心者ガイドにもあるように、中級者や上級者になると、ほとんどの選手が自分でラバーを貼り替えています。なぜなら、自分でラバーを貼ることで、用具への理解が深まり、微妙な打球感の違いを追求できるようになるからです。また、ラバーは消耗品であるため、自分で貼り替えられれば、コストを抑えつつ、常にベストな状態でプレーに臨むことができます。本記事を参考に、ぜひラバー貼りに挑戦してみてください。
ラバー貼りに必要な道具一覧
ラバーを綺麗に貼るためには、適切な道具を揃えることが重要です。JP卓球.comなどの専門サイトで紹介されている基本的な道具は以下の通りです。
- ラケットと新しいラバー:フォア面とバック面で異なる色(赤と黒)を用意します。
- 卓球ラバー専用接着剤:必ず卓球メーカーが販売している水溶性接着剤を使用してください。
- クリップスポンジ:接着剤を均一に塗るための道具。食器用スポンジでも代用可能です。
- よく切れるハサミまたはカッターナイフ:ラバーをカットするために使います。裁ちばさみがおすすめです。
- ローラー(あれば便利):ラバーを圧着し、空気を抜くのに役立ちます。
- サイドテープ:ラケットの側面を保護するために使用します。
- カッターマット:カッターでラバーを切る際に机を傷つけないために使います。
接着剤の選び方:水溶性接着剤が主流
現在、主流となっているのは安全性の高い「水溶性接着剤」です。これらは大きく2種類に分けられます。
- サラサラ系接着剤:流動性が高く、塗り広げやすいのが特徴です。乾きも早いため、初心者でも扱いやすいでしょう。代表的な製品にバタフライの「フリー・チャック2」があります。ただし、接着力が比較的マイルドなため、しっかり塗らないと剥がれやすくなることもあります。
- ドロドロ系接着剤:粘度が高く、強力な接着力が魅力です。一度貼ると剥がれにくく、試合中のラバー剥がれを防ぎます。ニッタクの「ファインジップ」が有名です。しかし、均一に塗るのが難しく、乾きも遅いため、慣れていないとダマになりやすいというデメリットがあります。
初心者の方には、まず扱いやすいサラサラ系の接着剤から始めることをおすすめします。
ハサミとカッター、どちらが良い?
ラバーのカットにはハサミ派とカッター派がいますが、最も綺麗に仕上げるためのプロの技として「ハイブリッド方式」が推奨されています。これは、卓球用品専門店の解説でも紹介されている方法で、カッターとハサミの両方を使います。
「実は我々のような見習いラバー貼り職人にはハイブリット方式が一番らしいのです。」
具体的には、まずカッターナイフでスポンジ層だけを切り、その後ハサミでトップシートを切るという手順です。この方法により、断面がガタガタになりにくく、美しい仕上がりになります。特に、刃渡りの長い裁ちばさみを使うと、一度に長く切れるため、より綺麗に仕上がります。
【完全手順】プロ直伝!卓球ラバーの貼り方
それでは、具体的な貼り付け手順を5つのステップに分けて解説します。落ち着いて作業できるスペースと時間を確保してから始めましょう。
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ステップ1:準備と古いラバーの剥がし方まず、ラケット側面に貼ってあるサイドテープを剥がします。次に、ラバーの端からゆっくりと剥がしていきます。バタフライのガイドにもあるように、焦って無理に剥がすとラケットの木材(上板)が剥がれる原因になるため、慎重に行いましょう。剥がし終えたら、ラケット表面に残った古い接着剤の膜を指で優しくこすって取り除きます。接着剤のかすが残っていると、新しいラバーが凸凹になる原因となります。 
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ステップ2:接着剤の塗布(ラケットとラバー)ラバーのスポンジ面の中央に、接着剤を10円玉くらいの量を出します。クリップスポンジを使い、一方向に素早く、均一に塗り広げます。ニッタクのコツでは、行ったり来たりせず、一方向に押し付けるように塗ることが推奨されています。塗り終えたら、接着剤が白から透明になるまで乾かします(通常5〜10分程度)。ドライヤーの冷風を使うと時間を短縮できます。同様の手順で、ラケットの表面にも接着剤を塗布し、乾かします。 
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ステップ3:ラバーの貼り付け接着剤が両方とも透明に乾いたら、いよいよ貼り付けです。ラバーを軽く反らせるように持ち、グリップ(持ち手)側からラケットに合わせて貼り付けます。空気が入らないように、中心から外側に向かってローラーや指で慎重に圧着していきます。専門店の解説にもあるように、この工程で空気が入ると打球感に影響が出るため、最も集中力が必要な作業です。 
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ステップ4:ラバーのカットラバーを完全に圧着させたら、ラケットからはみ出た部分をカットします。前述のハイブリッド方式がおすすめです。まず、カッターマットの上でラケットをしっかり固定し、カッターの刃を30度くらいの角度で当て、スポンジ層のみをラケットに沿って切ります。その後、刃渡りの長いハサミで残りのトップシートを切り取ります。ハサミを使う際は、ラケットの縁に沿わせながら、一気に切るのが綺麗に仕上げるコツです。 
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ステップ5:サイドテープを貼って仕上げ最後に、ラケットの側面(エッジ)を保護するためにサイドテープを貼ります。これにより、卓球台にラケットをぶつけてしまった際のダメージを軽減できます。ラケットの縁に沿って一周させ、余った部分をハサミで切れば完成です。 
初心者向けラバーの選び方
ラバー貼りと同じくらい重要なのが、自分に合ったラバーを選ぶことです。特に初心者の場合、最初のラバー選びがその後の上達スピードを大きく左右します。
なぜ「高弾性ラバー」がおすすめなのか?
卓球の裏ソフトラバーは、性能によって大きく「高弾性ラバー」「テンション系ラバー」「粘着性ラバー」に分類されます。この中で、初心者に圧倒的におすすめなのが「高弾性ラバー」です。
- 高弾性ラバー:弾みとコントロールのバランスに優れています。ボールがラバーに食い込む感覚(球持ち)が良く、自分の力でボールを飛ばす感覚を養いやすいのが特徴です。安定性が高いため、正しいフォームを習得するのに最適です。
- テンション系ラバー:ラバー自体にテンション(張力)がかかっており、非常に弾みが良いのが特徴です。しかし、ボールがすぐに飛んで行ってしまうため、基本的な技術が未熟な初心者にはコントロールが難しく、変な癖がつく原因にもなりかねません。
- 粘着性ラバー:表面の粘着力で強い回転をかけやすいですが、弾みが弱く、扱うにはパワーと独特の技術が必要です。上級者向けのラバーと言えます。
まずは高弾性ラバーで卓球の基本技術をしっかりと身につけ、ステップアップしていくのが上達への近道です。
スポンジの厚さの選び方
ラバーのスポンジの厚さも性能に影響します。一般的に、厚いほど弾みが増しますが、その分重くなり、コントロールが難しくなります。バタフライのガイドでは、初級者は「中(1.7mm)」や「アツ(1.9mm)」を選ぶことが推奨されています。まずはこのあたりの厚さから始め、自分のパワーやプレースタイルに合わせて調整していくと良いでしょう。
【2025年最新】レベル別おすすめ卓球ラバー&用品
ここでは、Amazonで購入可能なおすすめの卓球用品を、アフィリエイトリンクの形式でご紹介します。ラバー選びや道具揃えの参考にしてください。
初心者におすすめの高弾性ラバー
コントロール性能と安定性を重視した、基本技術の習得に最適なラバーです。
ヤサカ(Yasaka) マークV
高弾性ラバーの代名詞的存在。数十年にわたりトップ選手から愛好家まで幅広く支持されてきたベストセラーです。スピン、スピード、コントロールのバランスが絶妙で、初心者が最初に選ぶラバーとして最も人気があります。基礎技術を習得するのに最適な一枚です。
バタフライ(Butterfly) スレイバーEL
名作「スレイバー」のスポンジを柔らかくし、よりコントロール性能を高めたモデル。安定性に優れており、特に攻撃技術の習得を目指す初心者におすすめです。打球感が柔らかく、ボールをしっかり掴む感覚が得られます。
中級者・上級者におすすめのテンションラバー
基本技術をマスターし、さらなるスピードとスピンを求めるプレイヤー向けのラバーです。
バタフライ(Butterfly) ロゼナ
大人気ラバー「テナジー」シリーズの技術を応用しつつ、寛容性(トレランス)を高めたラバー。多少打点がずれてもボールを補正してくれる安定感があり、テンションラバーへのステップアップに最適と評価されています。コストパフォーマンスの高さも魅力です。
ニッタク(Nittaku) ファスタークG-1
多くのトップ選手が使用する、スピン系テンションラバーの代表格。シートのグリップ力が非常に高く、強烈な回転をかけたドライブが打てます。スピード性能も兼ね備えており、威力のあるボールで攻めたい中〜上級者におすすめです。
バタフライ(Butterfly) ディグニクス05
現代卓球の最高峰ラバーの一つ。独自の「スプリングスポンジX」と強化されたトップシートの組み合わせにより、過去にないレベルの回転とスピードを実現します。非常に高性能ですが、使いこなすには高い技術レベルが要求されるプロ仕様のラバーです。
おすすめの接着剤とメンテナンス用品
ラバーの性能を最大限に引き出し、長持ちさせるためのアイテムです。
- 接着剤:バタフライ フリー・チャック2-L
 初心者でも扱いやすいサラサラ系の定番接着剤。容量が多く、残った膜も剥がしやすいのが特徴です。
- 接着剤:ニッタク ファインジップ 50
 高い接着力で定評のあるドロドロ系の代表格。しっかり貼り付けたい上級者向けです。
- サイドテープ:ニッタク ストライプガードII
 デザイン性も高く、ラケットを衝撃からしっかり保護します。様々な幅が選べます。
まとめ
卓球ラバーの貼り替えは、最初は少し難しく感じるかもしれませんが、正しい手順とコツさえ掴めば誰でも綺麗に仕上げることができます。自分で用具をメンテナンスすることは、卓球というスポーツをより深く理解し、楽しむための重要なステップです。この記事を参考に、ぜひ自分の手でラケットを最高の状態に仕上げ、次の試合や練習に臨んでみてください。あなたの卓球ライフが、より一層充実したものになることを願っています。

 
  
  
  
  
