ラクザXとは?:勝利を掴むためのパワー系テンションラバー
ヤサカ(Yasaka)が誇る大人気ラバーシリーズ「ラクザ」。その中でも、特に威力と回転性能に特化し、多くの中〜上級者から絶大な支持を得ているのが「ラクザX」です。2014年に発売されて以来、プラスチックボール時代に対応するラバーとして、その地位を確立してきました。
ラクザXは、ドイツ製のハイブリッドエナジー型裏ソフトラバーです。ヤサカ独自の「ハイブリッドエナジー技術」と、ボールが滑らない「NSS(ノンスリップシート)」を組み合わせることで、他のラバーにはない圧倒的なグリップ力と安心感を実現しています。かつては神巧也選手が使用し、2015年度の全日本選手権で準優勝を成し遂げたことでも知られており、その実力は折り紙付きです。
ラクザXの核心技術と性能評価
ラクザXが長年にわたりトッププレイヤーから愛好家まで幅広く支持される理由は、その独自の技術と、それによってもたらされる卓越した性能にあります。
特徴①:滑らない「NSS(ノンスリップシート)」技術
ラクザXの最大の特徴は、「NSS(ノンスリップシート)」技術の採用です。これは、相手の強烈な回転がかかったボールを打ち返す際に、ラバー表面でボールが滑ってしまう(スリップする)現象を抑制する技術です。このNSSにより「どんな状態からでも摩擦した分だけ確実に回転をかける事が可能」になります。これにより、ドライブの打ち合いで相手の回転に負けることなく、安定して自分の回転を上乗せしたボールを打ち返すことができるのです。
特徴②:抜群のグリップ力と安定した弧線
多くのユーザーレビューで共通して語られるのが、その「抜群のグリップ力」です。あるレビューでは「手に『グッ』と残る感覚があり、回転をしっかりかけられる」と表現されています。ボールを長く掴む感覚があるため、薄く擦るだけでなく、食い込ませて打った際にも強烈な回転を生み出します。この強いグリップ力は、ネットミスを減らす安定した弧線を描くドライブを可能にし、プレイヤーに絶大な安心感を与えます。
特徴③:硬質スポンジが生むパワフルな一撃
ラクザXは、硬度45〜50度という硬めのパワースポンジを採用しています。この硬いスポンジが、ボールに十分な弾みと飛距離を与え、威力のあるボールを生み出します。特に中陣〜後陣からのパワードライブでその真価を発揮し、相手を打ち抜く決定力を求めるプレイヤーに最適です。ただし、この性能を引き出すには相応のスイングスピードとパワーが必要とされるため、中級者以上のプレイヤー向けの仕様と言えるでしょう。
パフォーマンス・チャート:ラクザXの強みと弱み
スピン性能が突出しており、パワー(スピード)も高いレベルにありますが、その分、重量があり、扱うには技術が求められることがわかります。
他の主要ラバーとの比較
ラクザXを選ぶ上で、他のラバーとの違いを理解することは重要です。ここでは、特に比較対象となりやすいラバーとの違いを解説します。
ラクザX vs ラクザXソフト:硬さの違いがもたらす選択
最も比較されるのが、同じシートを採用した「ラクザXソフト」です。最大の違いはスポンジ硬度にあります。ラクザXが45〜50度であるのに対し、ラクザXソフトは40〜45度と柔らかめに設計されています。
この違いにより、ラクザXソフトはボールの食い込みが良く、より安定性を重視したモデルとなっています。レビューでは「プレーに安定感を出したい選手」や「ドライブを覚えたい選手」にも向いているとされています。一撃の威力を求めるならラクザX、安定感やバックハンドでの扱いやすさを重視するならラクザXソフトが有力な選択肢となるでしょう。
ラクザX vs ラクザ7:バランスか、威力か
ラクザシリーズの元祖ともいえる「ラクザ7」は、回転、スピード、コントロールのバランスに優れた万能ラバーです。初めてテンションラバーに移行する選手にも推奨されるほど扱いやすいのが特徴です。比較レビューによると、ラクザXはラクザ7よりも回転量が圧倒的に出せる一方、ラバーが硬くフォア面向きとされています。安定したオールラウンドなプレーを求めるならラクザ7、一撃のパワードライブを武器にしたいならラクザXという棲み分けができます。
ラクザX vs ファスタークG-1:グリップ感と球離れの比較
ニッタクの「ファスタークG-1」も、ラクザXとしばしば比較される人気のラバーです。両者とも高いグリップ力が持ち味ですが、その性質は異なります。あるレビューでは、ファスタークG-1が「球持ちがかなり良く回転のかけやすさは非常に優れている」のに対し、ラクザXは「スピン系テンションの中でも球の初速が速く、ノータッチで抜くスピードボールが打ちやすい」と分析されています。ボールを掴んで回転をかける感覚を重視するならG-1、グリップ力を活かしつつスピードも出していきたいならラクザXが適していると言えるでしょう。
ラクザXが最適なプレイヤー像
これまでの特徴を踏まえると、ラクザXは以下のようなプレイヤーに最適なラバーと言えます。
- 中陣〜後陣でプレーするドライブ主戦型:十分な飛距離と威力があり、ラリー戦で強さを発揮します。
- パワーとスイングスピードに自信のある中〜上級者:硬いスポンジをしっかりと食い込ませることで、ラバーの性能を最大限に引き出せます。
- 回転量の多いループドライブを武器にしたい選手:NSSによる高いグリップ力が、安定して質の高いループドライブを可能にします。
- コストパフォーマンスを重視する選手:トップクラスの性能を持ちながら、比較的手頃な価格で入手できる点も大きな魅力です。
おすすめのラケット組み合わせ
ラクザXの性能を最大限に引き出すには、ラケットとの相性も重要です。ラクザXはボールが上に飛びやすい特性を持つため、前への推進力を補ってくれるラケットとの組み合わせが推奨されます。
- 7枚合板ラケット(例:馬林エキストラスペシャル):多くのレビューで推奨される組み合わせです。木材の球持ちの良さがラクザXのグリップ力をさらに活かし、7枚合板のパワーが威力を補強します。神巧也選手もこの組み合わせで使用していました。
- アウター特殊素材ラケット(例:ビスカリア):特殊素材の弾みが、ラクザXの持つパワーとスピードをさらに高いレベルへと引き上げます。中〜後陣からでも相手を打ち抜く、より攻撃的なプレーが可能になります。
レビューと評判:使用者からのリアルな声
実際にラクザXを使用したプレイヤーからは、多くの肯定的な意見が寄せられています。一方で、その特性ゆえの注意点も指摘されています。
「対上回転は抜群に強い。程よい食い込みと高いグリップ力で回転に負けず、中陣でも強いボールを打ちやすい。ブロックもしやすい。」
「テナジー・ディグニクスが欲しいけど高い、安くて威力の出せるラバーが欲しいという方におすすめです。ドイツ製ラバーを使用したことのある人ならすぐに順応できるでしょう。」
一方で、注意点としてはラバー重量が重いこと、そして対下回転打ちには自ら回転をかける意識が必要であることが挙げられます。ただ食い込ませるだけではネットミスに繋がることがあり、しっかりと体を使い、回転をかけて飛ばすスイングが求められます。
まとめ:なぜラクザXは今も選ばれ続けるのか
ラクザXは、発売から時間が経過した今なお、多くのプレイヤーにとって「試合で勝つための現実的な選択肢」であり続けています。その理由は以下の3点に集約されるでしょう。
- 圧倒的なグリップ力と回転性能:NSS技術により、どんな状況でも安定して質の高いスピンをかけられる安心感。
- 制御可能なパワー:最新の超高性能ラバーのように勝手に飛びすぎることがなく、自分のスイングで威力をコントロールできる実戦的なバランス。
- 卓越したコストパフォーマンス:トップクラスの性能を、ハイエンドラバーの約半分の価格で手に入れられる経済性。
「一撃の威力で試合を決めたい」「ドライブの回転量で相手を圧倒したい」、そして「高性能なラバーを継続して使いたい」。そんな願いを高いレベルで叶えてくれるラクザXは、これからも多くの卓球プレイヤーの武器として活躍し続けることでしょう。
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