卓球のグリップテープにルールはある?結論から解説
「卓球のラケットにグリップテープを巻いても大丈夫なの?」「試合でルール違反にならないか心配…」そんな疑問を持つ方は非常に多いです。特に初心者や、他のスポーツから卓球に転向してきた方にとっては、気になるポイントでしょう。
結論から言うと、卓球のラケットにグリップテープを巻くこと自体は、ルール上認められています。ただし、いくつかの条件やガイドラインが存在しますので、何でも自由に巻いてよいわけではありません。
この記事では、国際卓球連盟(ITTF)のルールや日本卓球協会(JTTA)の規定をもとに、グリップテープに関するルールを徹底的に解説します。さらに、正しい巻き方やおすすめ商品もご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
ITTF・JTTAのルールにおけるグリップテープの扱い
卓球のラケットに関するルールは、国際卓球連盟(ITTF)が定める「Laws of Table Tennis」に基づいています。日本卓球協会(JTTA)もこのルールに準拠しています。
ラケットの基本ルールを確認
ITTFルール第2条4項によると、ラケットの大きさ・形状・重さには特に制限がありません。ただし、ブレード(板の部分)は平らで硬くなければならないとされています。
グリップ部分については、以下のように規定されています。
- グリップ部分には修理材料や緩衝材を使用してもよい
- ただし、グリップの形状や大きさを著しく変えるものは認められない場合がある
- ラバーがブレード面を覆う範囲に影響を与えないこと
つまり、グリップテープは「修理材料」や「緩衝材」に該当するため、基本的に使用可能です。ただし、ラケット全体の外観や機能に大きな変化を与えるような巻き方は避けるべきでしょう。
グリップテープで注意すべきポイント
公式試合では、審判がラケットをチェックすることがあります。以下の点に注意しましょう。
- テープがブレード面にはみ出さないこと:ラバーの貼り付け面にテープが侵食すると、ルール違反と見なされる可能性があります
- テープの厚みが過度にならないこと:何重にも巻いてグリップの太さが極端に変わると、審判から指摘される場合があります
- テープの色について:明確な色の規定はありませんが、公式試合では派手すぎるものは避けた方が無難です
実際のところ、一般的なグリップテープを1〜2重巻く程度であれば、問題になることはほぼありません。大会によっては独自のローカルルールがある場合もあるため、参加前に確認しておくと安心です。
なぜ卓球でグリップテープを巻くのか?メリットと目的
テニスやバドミントンでは当たり前のグリップテープですが、卓球では巻かない選手も多いです。それでもグリップテープを巻く選手が増えている理由を見ていきましょう。
メリット1:汗によるすべりを防止できる
卓球は激しいラリーが続くスポーツです。試合が長引くと手に汗をかき、グリップが滑りやすくなります。特に夏場の大会や空調のない体育館では深刻な問題です。
グリップテープを巻くことで、汗を吸収し、安定したグリップ力を維持できます。あるアンケートでは、グリップテープを使用する選手の約70%が「汗対策」を主な理由として挙げています。
メリット2:グリップの太さを自分好みに調整できる
卓球ラケットのグリップは、メーカーやモデルによって太さが異なります。自分の手に合わないグリップを使い続けると、疲労やパフォーマンス低下の原因になります。
グリップテープを巻くことで、0.5mm〜1mm単位で太さを微調整できます。手の小さい女性や子どもの場合は薄く、手の大きい方は厚めに巻くことで、最適なフィット感を得られます。
メリット3:ラケットの保護になる
木製のグリップ部分は、長期間使用すると傷がついたり、汗によって劣化したりします。グリップテープはこうしたダメージからラケットを保護する役割も果たします。
お気に入りのラケットを長く使いたい方にとっては、大きなメリットと言えるでしょう。
メリット4:グリップ力の向上でプレーが安定する
特に台上技術やフリック、チキータなどの繊細な技術を多用する選手にとって、ラケットのわずかなブレは致命的です。グリップテープによって握りのフィット感が向上し、打球時のラケット角度が安定します。
トップ選手の中にもグリップテープを使用する方は少なくなく、丹羽孝希選手や早田ひな選手もグリップのフィッティングにこだわっていることで知られています。
卓球用グリップテープの種類と特徴を比較
卓球に使えるグリップテープにはいくつかの種類があります。それぞれの特徴を理解して、自分に合ったものを選びましょう。
| 種類 | 特徴 | おすすめの人 | 価格帯 |
|---|---|---|---|
| ウェットタイプ | しっとりした触感で吸い付くようなグリップ力 | 汗をかきにくい人・しっかり握りたい人 | 300〜600円 |
| ドライタイプ | さらさらした触感で汗を素早く吸収 | 汗をかきやすい人・軽い握りが好みの人 | 300〜600円 |
| タオルタイプ | タオル地の素材で最も吸汗性が高い | 大量に汗をかく人・バドミントン経験者 | 400〜800円 |
| クッションタイプ | 厚みがあり衝撃を吸収する | 手への負担を軽減したい人・長時間練習する人 | 400〜700円 |
卓球専用のグリップテープとして販売されている商品もありますが、テニスやバドミントン用のグリップテープを流用する選手も多いです。テニス用はやや幅が広いため、カットして使う場合もあります。
なお、ルール上は素材や種類に関する明確な制限はありません。ただし、金属素材や電子部品を含むものなど、通常の範囲を逸脱するものは当然NG です。
おすすめのグリップテープ商品
ここでは、Amazonで購入できる卓球に適したグリップテープをご紹介します。
バタフライ ソフトグリップテープは卓球メーカーが出している専用品で、薄さと吸汗性のバランスが優れています。卓球ラケットのグリップ幅に合わせて設計されているため、初心者でも巻きやすいのが特徴です。Amazonでの価格は約400円前後で、コストパフォーマンスも抜群です。
YONEX(ヨネックス)ウェットスーパーグリップはバドミントンやテニスで定番の商品ですが、卓球にも愛用者が非常に多いです。5本入りで約600円とコスパが良く、ウェットタイプの心地よいフィット感が人気の理由です。幅をカットして使えば卓球ラケットにもぴったりフィットします。
ニッタク グリップテープ フィットテープも卓球専用に開発された商品です。伸縮性が高く、握った時のフィット感に定評があります。厚さ約0.6mmと薄めの設計で、グリップの太さをあまり変えたくない方に向いています。
グリップテープの正しい巻き方とコツ
グリップテープを正しく巻くことで、性能を最大限に引き出せます。ルール面でも、きれいに巻いてあればトラブルになりにくいです。
準備するもの
- グリップテープ(お好みのタイプ)
- ハサミ(テープをカットする場合)
- 仕上げテープ(付属している場合が多い)
巻き方の手順
- 元のグリップを確認する:まずラケットのグリップ部分を清潔にしましょう。汚れや古いテープの残りがあると、新しいテープの接着が弱くなります。
- テープの幅を調整する:テニス用テープを使う場合、卓球ラケットのグリップは細いため、テープ幅が広すぎることがあります。必要に応じて縦半分にカットしましょう。卓球専用テープなら、そのまま使えます。
- グリップの下端(エンド部分)から巻き始める:テープの端を斜めにカットし、グリップの底部に固定します。テープの裏面の保護フィルムを少しずつ剥がしながら巻いていきます。
- 少し重ねながら螺旋状に巻く:テープの幅の約3分の1が重なるように、斜めに巻き上げていきます。テンション(引っ張る力)を一定に保つのがきれいに仕上げるコツです。強く引っ張りすぎるとテープが薄くなりすぎ、弱すぎるとシワが寄ります。
- ブレードの手前で止める:ここが最も重要です。テープがブレード面に達しないように、グリップ部分の上端で巻き終えます。ルール上、ラバーが貼られる部分にテープがはみ出すことは避けるべきです。
- 仕上げテープで固定する:巻き終わりを付属の仕上げテープで留めます。これにより、プレー中にテープがほどける心配がなくなります。
巻き方のNG例
以下のような巻き方は避けましょう。
- テープを何重にも重ねる:グリップが太くなりすぎて操作性が低下するだけでなく、審判からチェックされる可能性もあります
- ブレード面までテープを巻く:ラバーの貼り付け面に影響するため、ルール違反になるリスクがあります
- テープがはがれかけた状態で使用する:プレー中にテープが飛ぶとラリーの妨げになり、相手に迷惑をかけます
試合で審判にチェックされた場合の対処法
公式試合では、試合前にラケット検査が行われることがあります。グリップテープに関してチェックされるポイントと、万が一指摘された場合の対処法を知っておきましょう。
ラケット検査の流れ
ITTF公認の大会では、以下の手順でラケット検査が行われます。
- 試合開始前に審判がラケットを確認
- ラバーの公認マーク(ITTF認証番号)の確認
- ラバーの色(片面が赤、反対面が黒であること)の確認
- ラケット全体の外観チェック
グリップテープに関しては、4番目の「外観チェック」で確認されます。通常のグリップテープであれば問題になることは極めて稀ですが、以下の場合は指摘される可能性があります。
- テープがブレード面にはみ出している
- テープに金属片などの異物が含まれている
- テープが極端に厚く巻かれている
指摘された場合の対処法
もし審判からグリップテープについて指摘された場合は、冷静に対応することが大切です。
- 予備のラケットを用意しておく:グリップテープを剥がすよう指示された場合でも、予備のラケットがあれば安心です
- ハサミを持参する:はみ出した部分をその場でカットすれば解決する場合もあります
- 事前に審判に確認する:不安な場合は、試合前に審判や大会運営に確認しましょう。ほとんどの場合、親切に教えてもらえます
日本国内のローカル大会では、ラケット検査がそこまで厳格でないこともあります。しかし、全日本選手権や日本卓球リーグなどの上位大会では厳密にチェックされるため、普段から正しい装備を心がけましょう。
他のスポーツのグリップテープとの違い・流用の注意点
テニスやバドミントンからの転向者が特に気になるのが、「他のスポーツのグリップテープをそのまま使えるのか?」という点です。
テニス用グリップテープとの違い
テニス用のグリップテープは、幅が約25mm前後で、長さは約1,000〜1,200mm程度です。一方、卓球ラケットのグリップはテニスラケットよりも細く短いため、テニス用テープを使うと幅が広すぎる場合があります。
解決策としては、テープを縦にカットして幅を狭くする方法があります。実際に多くの卓球選手がこの方法でテニス用テープを活用しています。
バドミントン用グリップテープとの違い
バドミントン用のグリップテープは、幅が約25mm、長さが約700mm程度で、テニス用よりも短めです。バドミントンラケットのグリップは卓球ラケットよりもやや長いですが、テープの薄さや質感は卓球にも適しています。
バドミントン用テープは卓球にそのまま使いやすいサイズ感で、特にYONEXのウェットスーパーグリップは卓球選手にも非常に人気があります。
流用時のルール上の注意
テニスやバドミントン用のテープを卓球で使うこと自体に、ルール上の問題はありません。ITTFのルールでは、グリップテープのメーカーやスポーツの種類に関する制限は設けていません。重要なのは以下の点です。
- テープがブレード面にはみ出さないこと
- ラケットの外観を著しく変えないこと
- 安全性に問題がないこと
これらを守れば、好みのテープを自由に選んで問題ありません。
グリップテープ以外のグリップ改善方法
グリップテープだけが解決策ではありません。他の方法も知っておくと、自分に最適な対策が見つかるかもしれません。
グリップパウダー・ロジンバッグ
手汗対策として、グリップパウダーやロジンバッグを使う方法があります。手に粉をつけることで摩擦力を高め、滑りを防止します。野球のピッチャーが使うロジンバッグと同じ原理です。
ルール上、手にパウダーをつけること自体は問題ありませんが、ラバー面にパウダーが付着すると影響が出る可能性があるため注意が必要です。
グリップの削り・加工
上級者の中には、ラケットの木製グリップをヤスリで削って形状を調整する方もいます。これはルール上問題ありませんが、一度削ると元に戻せないため慎重に行う必要があります。
アンダーラップの使用
グリップテープの下にアンダーラップ(薄いスポンジ状のテープ)を巻くことで、さらにクッション性を高める方法もあります。テニス選手がよく使う手法で、卓球でも有効です。
Amazonで販売されているミューラー アンダーラップは、1巻き約300円で購入できます。70mmの幅がありますが、カットして使えば卓球ラケットにも適用可能です。グリップテープと組み合わせることで、最高のフィット感を実現できます。
専用のグリップ付きラケットを選ぶ
最初から太めのグリップや滑りにくい加工が施されたラケットを選ぶのも一つの手段です。バタフライの「張本智和モデル」やニッタクの一部モデルには、握りやすさを追求した特殊形状のグリップが採用されています。
プロ選手に学ぶグリップテープの活用法
トップ選手はグリップに対して非常にこだわりを持っています。彼らの工夫を参考にしてみましょう。
Tリーグ選手のグリップ事情
日本のプロ卓球リーグ「Tリーグ」に参加する選手の中には、グリップテープを巻いている選手が少なくありません。テレビ中継をよく観察すると、グリップ部分にテープが巻かれているのを確認できます。
特にペンホルダーの選手はグリップの握り方がシェークハンドと異なるため、テープを部分的に巻いて指の当たる箇所だけフィット感を高めるという独自の工夫をしている選手もいます。
海外選手の例
中国のトップ選手の中には、グリップを完全にカスタマイズしている選手もいます。馬龍選手や樊振東選手は、専属のラケット職人にグリップの形状を調整してもらっているとされています。
一般の選手がここまでのカスタマイズを行うのは難しいですが、グリップテープを活用すれば手軽にフィッティングを改善できます。プロの「こだわり」を参考に、自分なりの最適解を見つけてみてください。
まとめ:卓球のグリップテープルールを正しく理解して快適にプレーしよう
この記事のポイントを整理します。
- グリップテープの使用はルール上認められている:ITTFおよびJTTAの規定では、グリップ部分への修理材料・緩衝材の使用は許可されています
- ブレード面へのはみ出しはNG:テープがラバーの貼り付け面に侵食しないよう注意しましょう
- テープの種類に制限はない:卓球専用だけでなく、テニスやバドミントン用のテープも使用可能です
- 正しい巻き方で性能を最大限に引き出す:テンションを一定に保ち、3分の1程度重ねながら巻くのがコツです
- 予備のラケットやハサミを持参する:試合で指摘された場合に備えましょう
- グリップテープ以外の方法も検討する:パウダーやアンダーラップ、グリップ加工など選択肢は多数あります
- 定期的な交換が大切:グリップテープは消耗品です。月に1〜2回の交換が理想的です
グリップテープは手軽にプレー品質を向上させられる便利なアイテムです。ルールを正しく理解した上で活用し、より快適な卓球ライフを楽しんでください。
よくある質問(FAQ)
卓球の公式試合でグリップテープを巻いても大丈夫ですか?
はい、大丈夫です。ITTFのルールでは、グリップ部分に修理材料や緩衝材を使用することが認められています。ただし、テープがブレード面(ラバーが貼られる部分)にはみ出さないように注意しましょう。通常のグリップテープを1〜2重巻く程度であれば問題ありません。
テニス用やバドミントン用のグリップテープを卓球で使ってもルール違反になりませんか?
ルール違反にはなりません。ITTFのルールでは、グリップテープのメーカーやスポーツの種類に関する制限は設けられていません。テニス用やバドミントン用のテープは幅が広い場合があるため、必要に応じてカットして使用すると卓球ラケットにフィットしやすくなります。
グリップテープの色に制限はありますか?
ITTFのルール上、グリップテープの色に関する明確な制限はありません。ただし、大会によっては独自のローカルルールがある場合もあるため、不安な場合は事前に大会運営に確認することをおすすめします。一般的には、黒・白・青などの落ち着いた色が無難です。
グリップテープはどのくらいの頻度で交換すべきですか?
使用頻度や汗の量にもよりますが、一般的には月に1〜2回の交換が推奨されています。テープの吸汗性やグリップ力が低下したと感じたら交換のサインです。週に4〜5回練習する方であれば、2週間に1回の交換が目安となります。
グリップテープを巻くとラケットの重さはどのくらい変わりますか?
一般的なグリップテープ1枚の重さは約5〜8g程度です。これはラケット全体の重さ(約170〜190g)に対して約3〜5%の増加にあたります。わずかな重量増加ですが、微妙なバランスの変化を感じる選手もいます。気になる場合は、薄手のテープを選ぶとよいでしょう。
ペンホルダーのラケットにもグリップテープは巻けますか?
はい、巻けます。ただし、ペンホルダーはシェークハンドと握り方が異なるため、巻き方に工夫が必要です。指が直接当たる部分にだけ部分的に巻く方法や、コルク部分を覆うように巻く方法など、自分の握り方に合わせてカスタマイズするのがおすすめです。
子どもの卓球ラケットにもグリップテープは必要ですか?
必須ではありませんが、手の小さいお子さんにはおすすめです。グリップが太すぎると握りにくく、正しいフォームが身につきにくくなります。薄手のグリップテープを巻くことで、フィット感を調整できます。また、汗をかきやすいお子さんの場合、滑り防止の効果も期待できます。




