卓球のバレー(ボレー)とは?まず基本を押さえよう
卓球の試合中に「バレー!」と言われて戸惑った経験はありませんか?バレーとは、相手が打ったボールが自分のコート(台)にバウンドする前に、ラケットや体で触れてしまう行為のことです。英語では「volley(ボレー)」と表記され、テニスやバドミントンでも使われる用語です。
卓球では、バレーは明確な反則行為として定められています。テニスではネット際のボレーが戦術として認められていますが、卓球ではどんな場面でもバレーは許されません。この違いを理解していないと、試合中に思わぬ失点を招いてしまいます。
この記事では、卓球におけるバレーのルールを基礎から応用まで徹底的に解説します。初心者の方はもちろん、審判を務める方や、ルールの細かいポイントを確認したい中上級者の方にも役立つ内容を網羅しています。ぜひ最後まで読んで、正しい知識を身につけてください。
卓球のバレーが反則になる公式ルール【ITTF規定】
卓球のバレーに関するルールは、国際卓球連盟(ITTF)の公式ルールブックに明確に記載されています。具体的には、ITTF競技規則 第2.10.1.7項にて、以下のように定められています。
「相手が打ったボールが、自分のコートにバウンドする前にこれを打った場合(ボレー)、相手の得点となる」
つまり、バレーをした側が失点するというルールです。サーブでもラリー中でも、ボールが台にバウンドする前に触れれば、すべてバレー(ボレー)の反則となります。
バレーの判定基準を詳しく解説
バレーの判定において重要なのは、以下の3つのポイントです。
- ボールが台にバウンドしたかどうか:台に一度もバウンドしていなければバレーです
- 触れた部位は問わない:ラケットだけでなく、手・腕・体・衣服に触れてもバレーとなります
- 台の上下は関係ない:ボールが台の上空にあっても、台の外にあっても、バウンド前に触れればバレーです
よくある誤解として「台の上でノーバウンドで触れた場合だけがバレー」と思われがちですが、実際にはボールの位置に関係なく、自分のコートにバウンドする前に触れた時点で反則が成立します。
日本卓球ルール(JTTA)での扱い
日本卓球協会(JTTA)のルールもITTFの規定に準拠しています。国内大会でも国際大会でも、バレーに関するルールは同一です。地域の大会やローカルルールであっても、バレーは反則として扱われるのが一般的です。
バレーが起きやすい5つの場面と具体例
バレーは意図的に行うものではなく、ほとんどがとっさの反応や判断ミスで発生します。ここでは、試合中にバレーが起きやすい典型的な場面を5つ紹介します。
①台の近くでの強打・スマッシュ返球時
相手の強烈なスマッシュに対して、反射的にラケットを出してしまうケースです。ボールの速度が速いため、台にバウンドする前にラケットに当たってしまうことがあります。特に前陣(台の近く)で構えている選手に多い場面です。
②ネット際の短いボールへの反応
相手のストップ(短く返す技術)やドロップショットに対して、前に出て取ろうとした際に発生しやすいです。ボールがネットを越えてすぐのタイミングで触れてしまい、台にバウンドする前に手を出してしまうパターンです。
③サーブレシーブ時の焦り
相手のサーブが短いか長いか判断に迷い、焦ってラケットを振ってしまう場面です。特に初心者や経験の浅い選手に多く見られます。サーブの軌道をしっかり見極める練習が必要です。
④体にボールが当たってしまうケース
ラケットではなく、胸や腹、フリーハンド(ラケットを持っていない手)にボールが当たるケースもバレーとなります。台の近くに立っていると、速いボールを避けきれずに体に当たることがあります。
⑤台の端ギリギリのボールへの判断ミス
ボールが台の端に当たるかどうか微妙な場面で、「アウトだ」と思って手を出したら実は台に当たっていた、というケースです。逆に、台に当たる前にボールに触れてしまうとバレーになります。この場合、ボールを見送る判断力が求められます。
これらの場面に共通するのは、冷静な判断ができていないことです。試合中は常にボールの軌道を見極め、焦らずプレーすることが大切です。
バレーと間違えやすい他の反則ルールとの違い
卓球にはバレー以外にもさまざまな反則があり、混同されやすいルールがいくつかあります。ここでは、バレーと間違えやすいルールを整理して解説します。
バレーとオブストラクション(妨害)の違い
オブストラクションとは、相手が打ったボールが台に向かっている途中で、台の外でボールに触れてしまう行為のことです。一見バレーと似ていますが、ルール上は別の反則として扱われます。
| 項目 | バレー(ボレー) | オブストラクション(妨害) |
|---|---|---|
| 定義 | 自分のコートにバウンドする前にボールに触れる | 台に向かっているボールを台の外で妨害する |
| 判定結果 | 相手の得点 | 相手の得点 |
| 発生場面 | 台の上下問わず | 主に台の外側 |
実際の試合では、バレーとオブストラクションの境界が曖昧な場面もあります。ただし、どちらも相手の得点になるという点では同じです。
バレーとエッジボール・サイドの違い
エッジボールとは、ボールが台の角(エッジ)に当たることです。エッジボールは有効な返球として認められます。一方、台の側面(サイド)に当たった場合はアウトとなります。
バレーとの関連でいうと、エッジボールかサイドボールかの判断に迷い、ボールに手を出してしまうとバレーになる可能性があります。判断に迷った場合は、ボールを見送るのが安全です。
バレーとフリーハンドの反則の違い
フリーハンド(ラケットを持っていない手)で台に触れるのは反則ですが、これはバレーとは別のルールです。ただし、フリーハンドでボールに触れた場合は、バレーの反則にもフリーハンドの反則にも該当する可能性があります。いずれにしても相手の得点となります。
審判はバレーをどう判定する?判定のポイントと注意点
試合において、バレーの判定は審判の目視によって行われます。ビデオ判定が導入されていない一般的な大会では、審判の判断が最終決定となります。
審判が注目するポイント
審判がバレーを判定する際に注目するのは、以下のポイントです。
- ボールの軌道:台にバウンドする前にラケットや体に触れたかどうか
- 接触のタイミング:バウンドの直前か直後かを正確に見極める
- ボールの位置:台の上空か台の外かを確認する
特に高速ラリーでは、バウンドのタイミングが非常に微妙になります。審判はボールと台の接点に細心の注意を払って判定しています。
セルフジャッジの大会での対応
地域の大会や練習試合では、審判がつかずにセルフジャッジで行うことも多いです。セルフジャッジの場合、バレーの判定は選手同士の申告に委ねられます。
セルフジャッジで大切なのは、フェアプレーの精神です。自分がバレーをしてしまったと感じた場合は、正直に申告するのがスポーツマンシップにかなった行動です。逆に、相手のバレーが疑わしい場合は、冷静に話し合いましょう。
判定に不服がある場合
公式大会で審判の判定に不服がある場合は、レフェリー(主審の上位審判)に申し立てを行うことができます。ただし、事実認定に関する判定(バレーがあったかどうか)については、原則として覆ることはありません。ルールの適用に関する疑義のみが申し立ての対象となります。
バレーをしないための練習法と意識すべきポイント
バレーは反射的に起きてしまう反則だからこそ、日頃の練習で正しいポジショニングと判断力を身につけることが重要です。ここでは、バレーを防ぐための具体的な練習法を紹介します。
①適切な距離感を保つ練習
台との距離が近すぎると、速いボールに対してバレーをしてしまうリスクが高まります。基本的なフォアハンドやバックハンドの練習時から、台から約40〜60cmの距離を保つことを意識しましょう。
練習では、足元にテープを貼って立ち位置の目安を作る方法が効果的です。この位置から動く習慣を身につけることで、自然と適切な距離感が体に染みつきます。
②ボールの軌道を「見る」練習
バレーの多くは、ボールをよく見ていないことが原因です。多球練習(ボールを次々と出してもらう練習)で、ボールの軌道を最後まで目で追うトレーニングを行いましょう。
具体的には、練習パートナーに長短をランダムに出してもらい、短いボールには前に出て対応し、長いボールにはそのまま返球する練習が効果的です。この練習を繰り返すことで、ボールの長さを瞬時に判断する力が養われます。
③「見送る勇気」を持つ練習
台から外れるボールや、判断に迷うボールをあえて見送る練習も重要です。初心者は「何でも取りに行かなければ」と思いがちですが、アウトのボールに手を出すとバレーの反則になる場合があります。
練習では、パートナーにわざとアウトのボールを混ぜてもらい、アウトかインかを判断して見送る訓練を行いましょう。この判断力は試合で大きな武器になります。
④反応速度を上げるフットワーク練習
フットワークが良ければ、体勢を崩さずにボールに対応でき、バレーのリスクを減らせます。サイドステップや前後のフットワーク練習を日常的に行いましょう。
卓球専用のフットワーク練習として、ファルケンベリフットワーク(バック側からフォア側へ交互に動く練習)は非常に効果的です。1日10分でも継続すれば、数週間で動きの質が変わります。
フットワーク練習の質を高めるには、グリップの良い卓球シューズが欠かせません。Amazonでは、バタフライやミズノなどの人気メーカーの卓球シューズが豊富に揃っています。バタフライ レゾラインシリーズは軽量でグリップ力に優れ、素早い動きをサポートしてくれるため、フットワーク強化に最適です。また、ミズノ ウエーブドライブシリーズも安定感があり、多くの選手に支持されています。
卓球のルールをもっと深く知ろう!バレー以外の重要ルール
バレーのルールを理解したら、他の重要なルールもあわせて確認しておきましょう。ルールを総合的に理解することで、試合でのミスを減らし、有利に戦うことができます。
サーブに関するルール
サーブは卓球のルールの中でも特に細かい規定が多い分野です。主なポイントは以下の通りです。
- ボールは手のひらの上に静止した状態から投げ上げる
- ボールは16cm以上垂直に投げ上げる
- サーブは自分のコートに一度バウンドさせてから相手のコートに入れる
- ボールを隠してサーブを出す(ヒドゥンサーブ)は反則
サーブのルールを正確に理解していないと、せっかくの得点チャンスを失ってしまいます。
ダブルスのルール
ダブルスでは、サーブは右半面から右半面へ対角線上に出す必要があります。また、ラリー中は交互に打つルールがあり、同じ選手が連続して打つと反則です。バレーの反則はダブルスでも同様に適用されます。
促進ルール
1ゲームが10分以上経過しても終わらない場合(両者合わせて18点以上の場合を除く)、促進ルールが適用されます。このルールでは、レシーバーが13回返球すると得点が入るため、ラリーのテンポが変わります。バレーの反則が起きやすい慌ただしい展開になることもあるため、注意が必要です。
ラケットに関するルール
試合で使用するラケットは、片面が赤・もう片面が黒のラバーを貼る必要があります(2021年のルール改正で、赤以外のカラーラバーも一部認められるようになりました)。ラケットの規定に違反すると試合に出場できません。
ラケット選びは卓球のパフォーマンスに直結します。Amazonでは初心者から上級者まで幅広いラケットが販売されています。バタフライ ティモボルALCは攻撃力と安定性を兼ね備えた人気モデルです。初心者の方にはニッタク ジャパンオリジナルプラス シェークがコストパフォーマンスに優れておすすめです。また、ラバーではバタフライ テナジー05が回転性能に優れ、多くのトップ選手に愛用されています。
初心者がやりがちなバレー関連のミスと改善策
ここでは、初心者が特にやりがちなバレー関連のミスと、その改善策をまとめます。
ミス①:台に覆いかぶさるように構える
初心者は台に近づきすぎて構える傾向があります。この姿勢だと、相手の速いボールに反応する時間が短くなり、バレーのリスクが高まります。
改善策:基本の構えは台のエンドラインから約40〜60cm離れた位置です。足は肩幅より少し広めに開き、膝を軽く曲げて重心を低くしましょう。
ミス②:相手のサーブにすぐ手を出す
相手のサーブの軌道を見極める前にラケットを振ってしまい、バウンド前に触れてしまうケースです。
改善策:サーブレシーブでは、ボールが台にバウンドするのを確認してからスイングを開始することを意識しましょう。「バウンドを待つ」という意識が大切です。
ミス③:ネット際のボールに焦って飛びつく
ネット際の短いボールに対して焦って飛びつき、バウンド前に触れてしまうパターンです。
改善策:短いボールに対しては、右足(右利きの場合)を台の下に踏み込んで体を近づけてから打つのが基本です。足から先に動かすことで、余裕を持ってボールを打てます。
ミス④:アウトボールに手を出す
台から外れるボールに反射的にラケットを出してしまい、結果的にバレーの反則になるケースです。
改善策:練習中から「このボールはアウトかも」と意識する習慣をつけましょう。アウトかどうか判断に迷ったら、手を出さないのが安全です。特にロングサーブや高い軌道のボールに対しては冷静に判断しましょう。
練習の質を高めるために、練習用の多球(プラスチックボール)をまとめ買いしておくと便利です。Amazonでは、ニッタク やバタフライなどのJTTA公認球が箱単位で販売されています。ニッタク プラ3スタープレミアムは公式試合球と同じ品質で、練習にも最適です。また、多球練習には卓球マシンも効果的で、一人でも効率よくボールの軌道を見る練習ができます。
知っておきたい!バレーに関する豆知識とエピソード
ここでは、バレーに関する豆知識や実際にあったエピソードを紹介します。ルールへの理解をさらに深めるためにお役立てください。
プロの試合でもバレーは起きる
バレーは初心者だけのミスではありません。実は、世界レベルの大会でもバレーが発生することがあります。特に超高速ラリーの展開になると、トップ選手でも反射的にバレーをしてしまうことがあります。
過去のワールドツアーでは、台の近くで攻め合いをしている最中にバレーが発生し、流れが変わった試合も報告されています。どんなレベルの選手でも注意が必要なルールだということがわかります。
バレーと「ノーバウンド」の違い
日常会話では「ノーバウンドで触った」と表現されることが多いですが、正式なルール用語では「ボレー(バレー)」です。意味は同じですが、審判や公式な場面では正しい用語を使いましょう。
卓球とテニスのバレーの違い
テニスでは、ネット付近でのボレー(ノーバウンドでの返球)は合法的な戦術として広く使われています。しかし卓球では、どんな場面でもバレーは反則です。この違いは、卓球の台が小さく、ボレーを許すとゲームバランスが崩れてしまうためだと考えられています。
バレーの語源
「バレー」という日本語表記は、英語の「volley」から来ています。バレーボール(volleyball)の語源と同じで、「ボールをバウンドさせずに打つ」という意味が含まれています。卓球界では「バレー」と「ボレー」の両方の表記が使われますが、どちらも同じ意味です。
まとめ:卓球のバレールールを正しく理解して試合に臨もう
この記事で解説した卓球のバレー(ボレー)ルールの要点を整理します。
- バレーとは、相手が打ったボールが自分のコートにバウンドする前に触れてしまう反則行為
- バレーをした側が失点する(相手の得点になる)
- ラケットだけでなく、体や衣服に触れてもバレーとなる
- ITTF公式ルールに明記されており、国内外の全大会で共通のルール
- バレーが起きやすい場面は、強打の返球時・ネット際・サーブレシーブ時など
- 予防のためには、適切な距離感・ボールの軌道を見る力・見送る判断力が重要
- オブストラクションやエッジボールなど、似た反則との違いも理解しておく
- プロの試合でも発生するため、どのレベルでも意識が必要
卓球を楽しむためには、ルールの正しい理解が欠かせません。バレーのルールをしっかり把握して、フェアで楽しい試合を心がけましょう。ルールに自信が持てるようになれば、プレーにも余裕が生まれ、パフォーマンスの向上にもつながります。
よくある質問(FAQ)
卓球のバレー(ボレー)とは何ですか?
バレーとは、相手が打ったボールが自分のコート(台)にバウンドする前に、ラケットや体で触れてしまう反則行為のことです。英語では「volley(ボレー)」と表記されます。バレーをした側が失点し、相手の得点となります。
バレーはラケット以外で触れても反則になりますか?
はい、反則になります。ラケットだけでなく、フリーハンド(ラケットを持っていない手)、腕、体、衣服など、体のどの部位でボールに触れてもバレーの反則が成立します。
台の外でボールに触れてもバレーになりますか?
ボールが台の上空にあっても台の外にあっても、自分のコートにバウンドする前に触れればバレーの反則となります。ボールの位置は関係なく、バウンド前に触れたかどうかが判定基準です。
バレーを防ぐためにはどうすればいいですか?
主な対策として、①台から40〜60cm程度離れた適切な距離で構える、②ボールの軌道を最後まで目で追う、③アウトかどうか迷ったら手を出さずに見送る、④フットワーク練習で反応速度を上げる、などが効果的です。
テニスのボレーは合法なのに、なぜ卓球ではバレーが反則なのですか?
卓球の台はテニスコートに比べて非常に小さいため、ノーバウンドでの返球を許すとゲームバランスが大きく崩れてしまいます。そのため、卓球ではどんな場面でもバレーを反則としてルールで禁止しています。
セルフジャッジの試合でバレーかどうか意見が分かれたらどうすればいいですか?
セルフジャッジの試合では、選手同士の話し合いで解決するのが基本です。フェアプレーの精神を大切にし、自分がバレーをしたと感じた場合は正直に申告しましょう。どうしても意見が分かれる場合は、大会の運営スタッフや近くの経験者に相談することをおすすめします。
バレーとオブストラクション(妨害)の違いは何ですか?
バレーは自分のコートにバウンドする前にボールに触れる反則で、オブストラクションは台に向かっているボールを台の外で妨害する反則です。どちらも相手の得点になりますが、ルール上は別の反則として区分されています。




